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「近景・中景・遠景」について意識してみる

写真撮影の基本は、撮りたい被写体とどれくらいの距離で接するか、言い換えると「どれくらいの距離で写したいのか」ということです。

 

「近景」

近景撮影の最たるものは被写体への大接近である接写です。マクロ撮影と言ったりもします。

 

そのマクロ撮影も含めて、近景撮影のポイント、中心になるのは「質感」です。ディテール、つまり細部の描写にこだわります。肌ざわり、あるいは目ざわり(目障りではなく)と言ってもいいです。

 

被写体に触れてみたい気持ちがそこにあります。愛おしい、カワイイ、キレイだ、おいしそう=食べてみたい、そういったことですね。

 

花びらの質感、ペットの毛ざわりなどは、思い切り近づいて撮りたくなります。そこには被写体と一体になりたいという気持ちがあると思います。まさに「目の中に入れても痛くない」わけです。

 

また、近景は被写体そのものの本質をとらえようとします。人物の場合、肌は年齢、体調なども写し、表情からはその人物の内面、つまり、気持ち、気分、性格、人柄を写し出しているように感じます。

 

人物にかぎらず、アップの写真からはそのモノの息づかいが伝わってきます。近景撮影は、人間の原初的な感覚である「触覚」に基づくもののようです。

 

また、遠くから望遠で人物のアップを撮った場合、距離は離れていますが、これも近景撮影だと言えます。

 

ただ、望遠だと人物の顔を大きく写せますが、目に見えないけれど空気の圧縮感で、心理的には離れている感じに写ります。この場合は、親密感というより憧憬、あこがれと言ったところでしょうか?

 

「中景」

「近景」撮影のポイントになるものは「質感」だと書きましたが、「中景」撮影の場合のポイントになるものは何なのか、考えてみたいと思います。

 

ここでいう「中景」撮影とは、被写体そのものの全体像が分かる距離での撮影のことです。何メートル〜何メートルまでとか言った数字で表せるものではありません。

 

建物だと遠くなり、人物などだと近くなるからです。小物だともっと近くなり、近景と中景の撮影距離は数十センチしか違わないことになります。

 

近景の場合、建物で言うと鉄筋か木造かくらいしかわかりません。撮りたいものが玄関か庭先かリビングとかいった、その建物の一部分であった場合、近景といってもいいと思います。

 

それが中景撮影になると、その建物が「どのような」一軒家なのか、2階建てなのか、マンションなのか、会社なのか、店舗なのかが分かるようになります。

 

アップで写した人物の場合、中景になると全身が写るようになります。その人物がどんな服装をしているのか、どんなスタイルなのか、立っているのか、座っているのか、どんなポーズをしているのかが分かります。

 

アップでは分かりづらかった年齢や、男性か女性か、ペットで言えば種類なども分かるようになります。このように撮りたいものの全体像をとらえたものが「中景」で、中景撮影のポイントになるのは「形態」です。

 

近景撮影に比べると少し冷静にというか、客観的に見ようとするところがあります。あるいは、被写体を包み込むように、ペットならアップのベッタリ(?)ではなく、やさしく抱擁するようにと言ったらいいかもしれません。

 

「遠景」

「遠景」撮影のポイントは「状況」です。撮りたい被写体=主役がどんなところにいるのか、あるのかが分かります。「遠景」についても撮影距離の数字は関係ありません。

 

モデルさんがいる部屋がどのようなインテリアか、ペットや子供たちがいる公園の様子はどうか、建物が街なかにあるのか、郊外にあるのかかが分かります。

 

「遠景」撮影はかなり客観的、説明的な要素が入ってきます。撮りたい被写体を冷静に見るというか、穏やかにそっとやさしく見る、見守る感じです。

 

また、風景写真などでは、遠景撮影そのものが被写体になることがあります。遠景の中に特定のポイントになるものがない場合です。人物などが入っても、それは画面効果のための「点景」であって、人物は主役ではない景色といったところでしょうか。

 

写真における「近景・中景・遠景」について書いてきましたが、撮影のたびごとにこれが「近景」撮影だ、「遠景」撮影だと考えて撮る必要はありません。

 

近づきたければ近づく、引いて(=離れて)撮りたければ引いて撮る、ふだんの撮影はそれでいいと思います。

 

迷った時は「近景・中景・遠景」それぞれを撮っておくといいです。

 

 

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